病院のSEは激務。やり甲斐を感じないのであればおすすめできない

仕事

私が以前職務として経験した
病院を顧客としたシステムエンジニアは、
一般の人物ではなかなか勤め上げることの難しい職務だと感じます。

その理由は大きく2つあって

  1. 膨大な医療とコンピュータシステムの知識を持たなければいけないこと
  2. 時間的制約が大きいこと

のふたつがあります。

近年の電子カルテ導入について

現在は紙のカルテで運用している病院はどんどんなくなっていて、
電子カルテに変わっています。

電子カルテを導入することによって、
PCなどの端末があればカルテを探すことなく患者のデータをすぐに見ることができ、
悪筆などで見にくいということもなくなります。

さらに薬局や検査などへの医師からの指示も誤りなく、
瞬時に伝えることができることも大きなメリットになっていて、
ペーパーレス化にもなり、待ち時間がなくなることから
患者へのサービス向上にも繋がるなどいくつものメリットがあります。

電子カルテを病院で運用していくには、
1つのシステムに病院の運用を乗せなければならないため、
医師や看護師や検査部門など病院全体の運用を
ひとつのシステムに乗せなければいけないため、
各部門とのヒアリングが必要になります。

電子カルテシステムのメーカーは
コンピューターのプロフェッショナルではありますが、
病院業務に関してはほとんどわからず
逆に病院側は業務に関しては熟知していますが、
システムに関しては完全にアマチュアです。

そこで、コンピューターと病院業務の両方を熟知したシステムエンジニアが
その間を調整する必要があります。

しかし、病院の職員は全て国家資格者といってもよいほど医師や看護師や、
臨床検査技師・放射線技師・医療事務など幅広い分野があり、
その全ての知識を持っている人物はこの世には存在しません。

病院の職務をある程度持ちつつ、コンピューターシステムでできることを
運用に乗せるようにすることになりますが、この調整は難しいものなのです。

電子カルテシステムを導入することによって全体的には業務が減少しますが、
一部分では業務が増加するところがでてきます。

その部門を説得することは難儀なのです。

病院のシステムはエラー停止が許されない

また病院のコンピューターシステムは決して止めてはいけないシステムです。
もし、システムが停止してしまうと医師からの指示が
各部門に伝わることがなくなり、
カルテを参照することもできなくなってしまいます。

そのため、サーバーやクライアント、それにネットワークの設定や設置は
慎重を期する必要があり、停止してしまうことのプレッシャーを
抱えながらのセッティングになります。

特に電子カルテシステム稼働直後は運用側も慣れていないことから
日中は操作やシステム監視が必要で、微調整は
使用者が少なくなる夜中にしなければならないため、
昼も夜も寝ている時間がなくなるほどです。

病院SEは激務ゆえ定着しない

このように病院相手のシステムエンジニアは非常にハードな職務になるため、
なかなか定着するシステムエンジニアはおらず、
育成が難しいと言われているシステムエンジニアの中でも
特に育てるのが難しい人材と言われています。

激務を耐えられるほどのやり甲斐を感じる方以外には
病院SEはおすすめできない職業です。